ついにアニメも完結した『美少女戦士セーラームーン』。
実は第1シリーズ最終回直前に声優交代が行われていました。
なんと最終回目前のうさぎの声は三石琴乃さんではなかったのです。
なぜそんな主役声優交代という事態となったのか、その理由をお伝えします。
2021年に公開された『美少女戦士セーラームーンEternal』。
そして完結編となった『美少女戦士セーラームーンCosmos』。
どちらも主役のうさぎちゃんを三石琴乃さんが続投されたことで話題となりました。
しかし、一つ間違えばうさぎ役は別人で続けられていたかもしれないのです。
それほど危機的な状況でした。
今回はセーラームーン声優交代となった理由、そして代役を務めた荒木香衣の現在について調べてみましたよ。
荒木香衣さんが代役に決まった理由もわかります。
女の子の永遠の憧れセーラームーン!
初期から見直してみると懐かしいトキメキと新鮮さが湧いてくると思います。
ぜひ最後までご覧ください。
セーラームーン声優交代の理由とは?
セーラームーン月野うさぎの声に代役が立てられたのは1993年1月のことでした。
第1シリーズの完結に向け話が盛り上がっていた時。
そんな大事な時に、なぜ急に主役の代役が立てられたのでしょうか。
セーラームーン声優交代、代役が必要になった理由。
それは、第44話のアフレコ当日、月野うさぎ役である三石琴乃さんが自宅で倒れたからです。
検査の結果は『穿孔性卵巣嚢腫(せんこうせいらんそうのうしゅ)』。
手術を受けることになり、3週間の入院、3か月の自宅療養と告知を受けました。
『穿孔性卵巣嚢腫』とは、卵巣に膿(うみ)がたまり穴が開いてしまう病気です。
聞いただけで痛い・・。
三石琴乃さんも倒れた時は身動きが取れなかったとおっしゃっていました。
これまでもしょっちゅうお腹が痛くなることがあった。
けれども仕事の忙しさにかまけて病院に行かなかったそうです。
実はわたしも急な腹痛をがまんし過ぎて卵管破裂で死にかけたことがあります・・。
みなさん無理はしたらダメですよ。
さて話をもどして。
三石琴乃さんの突然の緊急入院。
これが、急遽セーラームーンの代役が必要となった理由です。
セーラームーン代役に荒木香衣が選ばれた理由
セーラームーン役の三石琴乃さんが緊急入院。
急遽必要になった代役に選ばれたのは声優の荒木香衣さんでした。
なぜ、荒木香衣さんが選ばれたのでしょうか。
実は、セーラームーンのオーディションで三石さんと共に最終選考まで残っていたのが荒木香恵さんだったのです。
結果的は皆さんご存知のように三石琴乃さんに決まりました。
しかし、荒木香衣さんの実力はスタッフさん達の印象に残っていたのでしょう。
荒木さんしかいない!と急遽代役のオファーがなされたのです。
セーラームーン代役荒木香恵のプレッシャー
代役が決まったものの、セーラームーンの月野うさぎは三石琴乃さんですでに出来上がってしまっている。
いわば完成されたキャラクターです。
そんなキャラを演じるなら、本来は時間をかけて準備をしたいところです。
しかし、荒木香衣さんは準備する時間も無いまま現場に入らなければいけなかったのです。
なぜなら、本当に急遽代役が決まったから。
アフレコまでの日数が少なかったんです。
後に、荒木さんは自分のうさぎのことをこう語っていました。
結局、三石さんのうさぎに似せることも出来ず、「荒木のうさぎ」と言える程にも出来なかった、と。
う~ん、なんだか荒木さんの悔しさがにじみ出ている言葉ですよね・・。
ただ、そんな中でも荒木さんが唯一頭を真っ白にして心から言えたセリフがあったそうです。
それは、第1シリーズの最終回。
次々に倒れていくセーラー戦士たち。
心が壊れそうになりながらうさぎが言った言葉。
「普通の生活に戻りたい」
超人気作品の、すでに完成されたキャラクター。
それを急遽演じなければならなかった。
荒木さんの精神的なプレッシャーは相当なものだったでしょう。
だからこそ、このセリフはただただ心から言えた。
そういう事ではないかと思います。
荒木香衣が演じた月野うさぎは第何話から?
荒木香衣さんが代役を務めた回をご紹介します。
セーラームーン第1シリーズ第44~46話(最終回)、第2シリーズ47話~50話です。
○ 44話:うさぎの覚醒! 超過去のメッセージ
○ 45話:セーラー戦士死す! 悲壮なる最終戦
○ 46話(最終回):うさぎの想いは永遠に! 新しき転生
【第2シリーズ『セーラームーンR』】
○ 47話(第1話):ムーン復活! 謎のエイリアン出現
○ 48話:愛と正義ゆえ!セーラー戦士再び
○ 49話:白いバラは誰に?月影の騎士登場
○ 50話:うさぎの危機!ティアラ作動せず
最後まで見事に月野うさぎ役を演じきった荒木香衣さん。
急遽決まった超人気キャラクターの代役というすさまじいプレッシャーに向き合い続けました。
代役について周囲の評価は?
当時の荒木香衣さんの演技を絶賛していた人がいました。
それはセーラーヴィーナス役をしていた深見梨加さんです。
第一声からすごく似ていて感動した、とおっしゃっていました。
深見さんの言うように、荒木香衣さんの声は三石琴乃さんに似ていたと思います。
似せていた、が正しいかもしれませんが。
テレビを見ていた方も、うさぎちゃんに違和感を感じた人は少なかったようです。
代役に気付かなかった方も多かったとか。
今聞いても本当に違和感ないですよ。
声優さんにそれほど興味のない方なら、言われないと気付かないでしょう。
荒木香衣さん、この時の演技が評価されて、今度はちびうさ役でセーラームーンに続投となります。
ちびうさ初登場回は?
セーラームーンの代役を見事に果たし終えた荒木香衣さん。
第2シリーズ『セーラームーンR』第60話から「ちびうさ」として登場することになります。
代役での演技を評価されたのでしょう。
オーディションをすっ飛ばして、ちびうさは荒木香恵さんに、との指名だったのです。
荒木さんは原作でちびうさを見て、この役を自分が演じられるんだと嬉しかった、と振り返っています。
ちびうさの初登場回は『60話:(第2シリーズ14話) 天使?悪魔? 空から来た謎の少女』
これ以降ちびうさ初はレギュラーキャラクターとなり、すべてのシリーズに登場しています。
このちびうさちゃん、セーラームーンの人気に拍車をかけた立役者なんです。
なぜかと言うと、セーラームーン掲載誌『なかよし』の読者層、小学生の人気を爆発的に得たから。
元々セーラームーンは中学生の話なので、小学生にとっては「お姉さん」の世界だったんです。
しかし、ちびうさ登場により自分と同世代の女の子が活躍している!と小学生の人気を一気に獲得しました。
1994年3月号の『なかよし』で発表されたセーラームーンキャラクター投票では、ちびうさが1位になったほどなんですよ。
荒木香衣さんは、セーラームーンの代役を引き受けたことで色々な辛い思いもしたと思います。
しかし、後にちびうさという素晴らしいキャラクターと出会うことができた。
それが人生を大きく変えてくれた。
それは、やはり大きなプレッシャーと向き合って必死でやり遂げた結果だと思います。
ちびうさ役を得たことで声優としての生活も変わり、お仕事も増えました。
1995年には『ふしぎ遊戯』の夕城美朱役で主役をゲットしています。
努力が報われたんだなあ・・となんだか嬉しくなっちゃうエピソードです。
荒木香衣さんプロフィール
荒木香衣(あらきかえ)さんは1963年11月6日 生まれの 60歳です。※2023年6月現在
2010年まで荒木香『恵』と名乗っていました。
出身は大阪府。
わたし声優さんが同じ大阪府民だとちょっと嬉しくなりします(*ˊ˘ˋ*)
声優デビューは1986年のアニメ『めぞん一刻』の保育園児役でした。
その後は賢プロダクションに所属し、声の仕事よりもリポーターや司会などを中心に活動しています。
そこからアーツビジョンに移籍してアニメの仕事が中心となりました。
ちびうさ以外の代表作には『ふしぎ遊戯』の夕城美朱や、デジモンアドベンチャーの八神ヒカリなどがあります。
他にも、実は『クレヨンしんちゃん』でセーラームーンのパロディをされていたんですよ。
「セーラームフーン」って、覚えている方いらっしゃいますか?
コレだいぶわたし的にツボでした笑。
セーラームーン代役荒木香衣の現在は?
荒木香衣さんは2010年に事務所を辞め、フリーで活躍していました。
現在は「東京アナウンス学院」などで声優講師をされています。
主に新人声優さんの育成がメインとのこと。
2015年、荒木香衣さんはご自身についてこうおっしゃっていました。
「私は厳しい、ある意味怖い講師だ」と。
荒木さんなりに考えがあっての指導だけれども、ついてくる生徒さんは大変だと感じていたようです。
でも、生徒さんたちは講師や現状を恨まず、拗ねず、怠けずに努力している、と喜びを語っていました。
生徒さんのことを思ってあえて厳しく指導されていることが伝わりますね。
そういうのって、指導を受ける側にも伝わるんですよね。
今は講師として新しいセーラームーン達の活躍を応援されているんでしょうね。
セーラームーン声優交代の理由とは?代役の荒木香衣の現在についてまとめ。
セーラームーン声優交代の理由とは?代役の荒木香衣の現在についてご紹介してきました。
セーラームーン月野うさぎの声優交代が行われたのは第1シーズン最終回目前。
その理由は主役の三石琴乃が緊急手術入院をすることになったからでした。
代役に荒木香衣が選ばれたのは、セーラームーンオーディションで最終選考まで残った実力を買われたためです。
荒木香衣の月野うさぎはセーラーヴィーナス役の深見梨加から賞賛を受けたほど素晴らしいものでした。
セーラームーン代役後は「ちびうさ」役でレギュラー出演しています。
そして現在。
荒木香衣は声優学校で講師をし、主に新人声優の育成を担当しています。
原作もアニメも完結してしまったセーラームーン。
ですが、現役少女も大人になった少女もみんな大好きになる作品だと思います。
ぜひ、折に触れて1話から見返して見てください。
うさぎ達の成長や声優さん達の変化、見どころがたくさんあります。
そして何だか純粋な気持ちになります笑。
セーラームーンは永遠ですね!